娘を見守るお父さん

ほんわか

寒いバス停でのお見送り

田舎風景が広がる長閑な街に、
息子夫婦に会いに行き、
長距離バスで帰るためバス停に向かいました。
寒いバス停では、
皆待合室で座っていたのですが、
初老の男性が一人、
大きなピンク色のスーツケースと荷物2つを持って、
寒い中立って待っていました。
ピンク色?って思ったのですが、
どうも娘さんのスーツケースのようで、
お見送りに来ていたようです。

大学生くらいの娘さんは、
お母さんと待合室の椅子に座り、
ずっとおしゃべりをしていました。
他にも椅子が空いているのですが、
お父さんは待合室には一度も入らず、
北風で寒い中、バス停の前でずっと立っていました。
バスは遅れていたので、
娘が乗り遅れないよう、バスが来るのを見ていたのか、
母親と娘の時間を大切にしてあげたのか、
元々寡黙な方なのか、
真意はわかりませんが、
15分もの間、寒い中動かずに、ずっと立っている姿を見ていると、
娘に対するお父さんの愛情を感じました。

娘さんは年末年始の帰省で実家に戻られたのでしょう。
休みが終わってまた都会戻る娘のことを考えると、
お父さんは心配で仕方が無いのかもしれません。
娘さんも、
遠くから見守ってくれる人がいるからこそ、
安心して自分の道を進めるのでしょう。
そんなことを考えながら、
でも、一人でがんばりすぎないでほしいな~
辛いときや、悩んだときは、
無理して一人で解決しようとしたり、
自分だけで抱え込んだりするのではなく、
見守ってくれる人たちに、
気兼ねなく頼ってほしいな~
とも思いました。
お父さんもお母さんも、
それを待っているはずです。

バスが出発するギリギリまで両親と話していた娘さんは、
最後に乗ってきて私の隣に座りました。
到着するまでの間、
もし何か困っていたら助けてあげよう、
と思いながら、
私も娘さんを見守っていました。







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