あるビルの清掃員の話です。
清掃の技術を競う技能協議会に出た時、
「完璧にやった」と自負していました。
ところが、結果は2位。
悔しくて上司に「何がいけなかったのか」と聞いたところ、
返ってきた言葉は「気持ちを込めていない」
「道具を使ったあと、ポンポンと投げるように置いていたね。
道具を作った人がそれを見たら、どう思うだろう?」
それを聞いた清掃員は自分に欠けていたものに気づき、
妥協せず努力を続けた結果、次の大会で日本一になったそうです。
これは、単なる清掃技術の話ではありません。
「仕事とは何か」 という本質的な問いかけです。
使う人のことを見据え、道具を大切にし、
自分の仕事の先にいる人を想像し、
すべての人を思いやることで、
清掃は単なる作業から「心を込めた仕事」へと変わったのです。
もはや「ただの清掃」ではありません。
この話を聞いて、
以前仕事でやってたことを思い出しました。
「バトンの先にはお客さま」。
お客さまと直接対応する部署でなくても、
次の部署にバトン(仕事)を渡す、そして次、、、
そして最後はお客さまにバトンが渡されるのだから、
次の部署をお客さまだと思って仕事をする、ということです。
今思えば、まさに仕事の本質を問う、とても良い取組みでした。
この二つの話に共通するのは、「心を込める」ということだと思います。
ある方は、
「雑用という仕事は世の中には無い、
雑にするから雑用になる」
とも話していました。
どんな仕事でもその先の人のことを思い、
心を込めて仕事をすれば、
きっと自分が変わり、世界が変わると思います。