ガバナンスの重要性

安心安全

サービス関連の仕事をしていた頃、
帝国ホテルのロビーをよく見に行きました。
スタッフのパフォーマンスを見ているだけで
とても勉強になりました。
帝国ホテルのサービス教訓の一つに、
「10・10・10の法則」というものがあるそうです。
ブランドを構築するには10年かかるが、
失うのはたった10秒。
そして、そのブランドを取り戻すには
再び10年かかるという考え方です。
これはサービスだけでなく、
企業ガバナンスにも通じる重要な教訓かと思います。

企業が長年かけて築き上げた信頼や評判も、
たった一度の不正や不祥事で
一瞬にして崩れ去ることがあります。
そして、それを回復するには
膨大な時間と労力を要します。
時には再建不能に陥ってしまうこともあります。
一度市場から信頼を失った企業が
再び立ち直るまでには
多くのステークホルダーの協力と、
透明性のある経営が必要となります。

サービス業における
「一瞬一瞬のお客さまとの接点」がブランドを左右するように、
企業ガバナンスにおいても
「一瞬一瞬の判断」が企業の未来を決定します。
危機が発生したとき、迅速で適切な判断を下すためには、
普段からの準備が欠かせません。
また、役員から現場レベルまで
透明性が保たれている企業風土も
とても重要だと思います。

ガバナンスの本質は
「誰かに見られているから守る」ではなく、
「見られていなくても正しいことをする」
という姿勢にあると思います。
常に人間として何が正しいかで判断するということです。
役員含む社員一人ひとりが
自分の行動が企業全体の信頼を支えている
という意識を持つことで、
組織全体の信頼度が高まり、
結果的にブランドを高めることにつながるのではないかと思います。

ブランドもガバナンスも、
日々の積み重ねで築かれるものです。
一瞬の油断で失われる可能性があるからこそ、
私たちは目の前の決断や行動を大切にし、
信頼を守る努力を続けていく、
これこそが、
企業として永続的な発展を目指すための第一歩だと思います。

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