在籍25年以上のベテラン銀行員が、
貸金庫から金品を盗み出した事件は、
その悪質さから多くの人々を驚かせました。
しかし、この銀行員のキャリアを知ると、
ある種の心理的背景について
考えさせられる部分もあります。
この銀行員は短大卒業後に一般職として銀行に入行し、
その後、試験を受けて管理部門の総合職に転じました。
このキャリアの転換には、
相当な努力と周囲からの期待があったことでしょう。
私自身も同じキャリア転換の経験があるため、
この背景にどのようなプレッシャーや孤独感があったのか、
少し理解できる気がします。
キャリアチェンジを経て総合職に就くと、
責任の大きさや成果を求められるプレッシャーが増します。
同時に、仕事や家庭での悩みを
誰かに打ち明けるハードルも高くなりがちです。
特に、このようなキャリアを歩む女性は、
「努力して掴んだポジションを汚したくない」
という心理が働き、孤独感が増すこともあります。
今回の事件を起こした銀行員も、
多額の借金を抱えながら、
それを相談する相手を見つけられなかったのかもしれません。
一方で、最初から総合職として入社した男性には、
このような心理は理解しづらいかもしれません。
女性が一般職から総合職に転じると、
組織や社会の期待が絡み合い、
常に男性と比較されながら
「結果を出さなければならない」という
プレッシャーがのしかかることが多くなります。
『女性活躍推進』という言葉自体も
プレッシャーの一つかもしれません
もちろん、今回の事件は決して擁護できるものではありません。
しかし、女性活躍推進が進む中で、
このような心理的プレッシャーが
事件の背景として考えられることには注目すべきです。
キャリアチェンジを果たした人が、
孤立せずに助けを求められるような環境づくりが、
今後の課題として重要だと感じます。
今回の事件を機に、
個人のキャリアや心のケアについて
社会全体で考えるきっかけになればと願っています。
悲しい出来事ではありますが、
同じように努力を重ねている人たちが孤立せず、
安心して相談できる環境を作ることで、
このような悲劇を防ぐ一助になるはずです。
未来に向けて、私たち一人ひとりができることを考え、
行動していきたいと思います。