心を整える所作

変わる

平穏な心のまま

美しい所作について、
興味があり本を読んだりするのですが、
所作を整えるよりも
心を整える方が難しいという内容を見たとき、
まったくその通りだと思いました。
例えば、食事の所作を整えたい時、
箸の使い方や、
お茶碗の持ち方や、
一口の大きさや、
そんな見た目のことをまず考えてしまいますが、
そうではなく、
お茶を飲むことや
ご飯を食べること、
ただそのことだけに一生懸命になることだそうです。
見栄えや綺麗に見せるなど、
そんな余計なことに囚われず、
一服のお茶を心ゆくまで楽しみ、
一膳の食事を心の底から味わう、
その姿に勝る所作がありますか?
ということだそうです。

これを知った時、
以前読んだ面白い話を思い出しました。
ある方が祖父母と母と、
ホテルの高級レストランに行った時の出来事です。
隣の席には、見るからにお金持ちそうな奥様がいて、
わがまま言いたい放題で
「ソースはこれでないとだめ」
「ワインの産地はこれしか飲まない」など
うだうだオーダーを指示した揚句、
傍で見ていた祖父を上から下まで見て
「ふふん」と笑ったらしいです。
「何、あの女」と文句を言おうとする母を祖母が止めていたら、
祖父はホテルの人にはっきりと
「私たちは田舎者なので美味しいものを下さい」
と伝えました。
するとローストビーフや生ハム、高級なワインなど
美味しそうなものが次々と運ばれてきたそうです
先程の奥様が
「何よ!そんなものがあったの!?」
と怒るとホテルの人は笑顔で
「お客様からは料理はソースにいたるまでご指定がありましたので
 そのようにいたしました。
 ですがこちらのお客様からは美味しいもの、とのことでしたので、
 失礼ながら私どもでおすすめの料理を選ばせていただきました。」

どちらの所作がステキか、
答えは簡単ですね。

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