推し以上

前向き

久しぶりに甲子園球場で阪神タイガースの試合を見ました。
抽選で当たった貴重な巨人戦のライト外野席です。
友達から、「阪神ファンはなんであんなに熱狂的なん?」と聞かれて、
自分でもなんでやろうと思いました。
私の場合思いつくのは、
・父親が大ファンだったので、その影響
・甲子園球場は家から近く高校野球も開催されていること
・そもそも関西人は派手に盛り上がり、
 特に関東に異常な対抗心を燃やすので試合が盛り上がる
なのですが、
少し勉強した心理学の観点で考えてみました。

① 社会的同一化理論
 阪神ファンであることが自分の一部となっている。
 「阪神の勝利は自分の勝利」、
 「他の球団(特に巨人)への対抗心は自分の防衛本能」となりやすい
 ただの”推し”よりも、もっと自分の根っこに近い感情

② 郷土愛とナショナリズムのミニ版
 甲子園球場という「地元の聖地」があるのも重要なポイント
 甲子園球場は高校野球の舞台でもあり、関西人にとっては誇り
 これはミニ国家みたいな心理で、「阪神=地元の象徴」と感じる

③ 感情の共有と集団一体感(エモーショナル・コンタギオン)
 甲子園球場の特に外野席、あの連帯感はすごい
 「一緒に叫ぶ」「応援歌を歌う」「ハイタッチする」
  → 脳内ではオキシトシンやドーパミンが分泌される
 これによって、阪神ファンでいること自体が快感のサイクルになっている

「エモーショナル・コンタギオン(感情の感染)」とは
たとえば、
周りのファンが喜んでいたら自分も自然と笑顔になる、
応援歌で周囲が熱くなっていたら自分もテンションが上がる、
一緒に喜んだり悔しがったりすることに強い一体感を感じる、
というように、
ある人の感情が、周囲の人にも自然と伝わってしまう現象のことだそうです。
人間の脳にはミラーニューロンという仕組みがあって、
他人の表情・動き・感情を
自分の中でまねして感じ取ろうとする働きがあるので、
甲子園球場のような場所では、
周囲の感情(喜び、悔しさ、熱狂)を
ミラーニューロンがキャッチし、
みんなで同じ感情を味わうことで、深い一体感が生まれる、
ということだそうです。

外野席で一緒に喜び、怒り、悔しがる、
これってもうひとつのチームとしての感情を分かち合っている状態です。
なので甲子園球場はある意味、
感情が増幅し合う発電所みたいな場所ですね。
”推し”は基本的に個人や作品が対象で、距離感も保ちやすい、
でも阪神ファンの場合は、少し大げさだけど
自分の人生そのものとつながっている、
つまり、”推し”を超えて
自分の一部になっているといっても過言ではないかも。

甲子園球場での公式試合は
9月の最終戦まで全席完売、
グッズ売り場もいつも大混雑、
すごい収益です。
いかにファンの心を掴むか、
事業のヒントにもなりそうです。

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