霧雨の日の気づき

変わる

英文学者、言語学者として有名な
外山滋比古さんの記事を見ました。
人生の後半をどう生きるかというテーマで、
江戸時代に詠まれた俳句を引用されていました。
「浜までは海女も蓑着る時雨かな」
これから海に潜る海女が、
雨を避けるために蓑を着て浜に向かう、
という内容です。
どうせ濡れるのになぜ蓑を着るのだろう、
私だったら着ないなぁと
よく理解できませんでした。

外山先生の解説では、
浜までは濡れずに行きたい、
というのが海女の気持ちだそうです。
”浜”を”死”と捉えれば
さらに理解が深まるとされていました。
死が近くなる人生の後半として考えると
どうせ仕事をやめたんだから、
どうせ年寄りだから、
と投げやりになるのが一番良くないということです。
でもこれは、
人生の後半に限ったことだけではないと思いました。
投げやりになる、
というのはどの年代でもある現象です。
自分を振り返ると、
若い頃の方が投げやりになることが多かったような気がします。
でもそんな時こそ、
少しでも自分を大切にして、
丁寧に前向きに生きていくことが必要、
この俳句には
そんな思いが込められているのかなと思いました。

少しだけ雨が降ってきた時、
いつもなら濡れた傘を後で乾かすのが面倒なので
多少濡れても傘を使わないのですが、
たまたま昨日、
霧雨で傘を使いました。
なんか突然、
今までの雑な自分では無く
丁寧な行動をしようと思ったのです。
そして今日、この俳句を見たので、
昨日の思いつき行動は
自分を変えるチャンスだったんだと、
ちょっとうれしくなりました。

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